ObsidianをインストールしてVaultも作った。
ここまでは順調だけど、いざノートを前にすると「さて、何を書けばいいんだろう?」と手が止まっていませんか。
まだインストールや初期設定をしていない方は、まずこちらを参考にしてください。

Obsidianは単なるメモアプリではなく、情報を「つなげて」「育てて」いける強力なノートツールです。
ただ、機能が多いぶん初心者のうちは使い方のイメージが湧きにくく、せっかく始めても活用しきれずにやめてしまう人も少なくありません。
この記事では、Obsidianをこれから本格的に使いこなしたい初心者向けに、基本的な使い方から日常での実践ワークフローまでを丁寧に解説します。
メモをとるだけで終わらせず、「思考や知識を整理し、自分だけの情報資産に育てていく」流れがわかるようになります。
始め方の記事を読んだ次のステップとして、ぜひこの記事を参考に日々のメモやタスク管理に取り入れてみてください。
Obsidianでできることをざっくりイメージする
この記事では基本的な使い方にフォーカスしています。インストールやVault作成などの初期設定については、こちらの記事を参考にしてください。

Obsidianは「ノートアプリ」と一言でまとめられることが多いですが、実際に触ってみると、その役割は単なるメモ帳にとどまりません。
ポイントは 情報を“つなげて育てる”ことができる という点です。
初心者がまずイメージしておくと理解しやすいのは、この3つの使い道です。
1. 情報整理ツールとして使う
日々のメモや会議の議事録、アイデアの断片などをすべてObsidianに書き留めておけば、あとから簡単に検索できます。
紙のノートや他のアプリだと「どこに書いたっけ?」となりがちですが、ObsidianはMarkdown形式で保存されるため、フォルダごとに管理したり、タグをつけたりして整理が可能です。
2. 知識管理(パーソナルナレッジベース)として使う
Obsidianの最大の特徴は、ノート同士を[[リンク]]でつなげられること。
例えば「マーケティング」というノートと「SEO」というノートをリンクすると、関連情報が自動的にネットワーク化されます。
これにより、自分の頭の中に散らばっていた情報が徐々に地図のように広がり、まるで“第二の脳”のように活用できます。
3. タスク・プロジェクト管理として使う
「デイリーノート」でその日の予定やタスクを書き出し、完了したものにはチェックを入れる。
これだけでもToDoアプリ代わりになります。
さらにプラグインを導入すれば、カンバン形式のタスク管理やリマインダー機能も使えるようになり、仕事のプロジェクト管理までこなせます。
つまりObsidianは、
- メモを残す
- 知識を整理・つなげる
- タスクを管理する
という3つを軸に「日常から仕事まで」幅広く活用できるツールです。

ここまでで、「ただのメモアプリではない」というイメージはつかめたと思います。次は、実際にノートを作りながら基本操作を体験してみましょう。
基本操作の実践編:ノートを作って使いこなす
Obsidianを使い始めたら、まずは「ノートを作る → 内容を書く → つなげる」という基本動作を体験してみましょう。
初心者が最初につまずきやすいのはここですが、実はシンプルです。
ノート作成とMarkdown記法の最小限ルール
ObsidianはMarkdown形式というルールに沿ってノートを作ります。
といっても、難しいプログラミングの知識は不要。覚えるべきはこの3つだけです。
- 見出し:
# 見出し1
、## 見出し2
- 箇条書き:
- 文章
- リンク:
[リンクテキスト](URL)
Markdown記法の例
# 今日のメモ
- ミーティング内容を整理
- 次のタスク:資料作成
このように書くだけで、見出しや箇条書きが自動的に整ったノートになります。
最初は難しく考えず、ただ思いついたことを箇条書きで書き出すだけでもOKです。
ノート同士をつなぐ内部リンク
Obsidianの醍醐味は、ノート同士を自由につなげられること。
方法はとても簡単で、[[ノート名]]
と入力すれば内部リンクが作られます。
たとえば、
- 「アイデアメモ」ノートから「ブログ記事のネタ」ノートへリンク
- 「読書メモ」ノートから「気づき」ノートへリンク
こうすることで情報が有機的につながり、あとから振り返ったときに「自分の知識の地図」が自然に育っていきます。
タグで横断的に整理する
ノートをつなげるだけでなく、タグを使うと便利です。
#仕事
、#読書
、#アイデア
のように書いておけば、検索画面からタグごとにノートを一覧表示できます。
リンクは「点と点を結ぶ線」、タグは「カテゴリ分けのラベル」。
この両方を組み合わせると、ノート整理が一気に快適になります。
まずはこの3つを習得すれば、Obsidianでの基本操作はほぼクリアです。
- ノートを書く(Markdown)
- ノートをつなげる(内部リンク)
- ノートを分類する(タグ)



次はこれらをどう日常に落とし込むか。実際のワークフロー例を見てみましょう。
日常で使える便利なワークフロー
基本操作を押さえたら、実際の生活や仕事の中でどう活用するかがポイントです。
ここでは初心者でもすぐに取り入れられるObsidianのワークフローを紹介します。
デイリーノートで習慣化する
Obsidianには「デイリーノート」という機能があります。
これはその日ごとのノートを自動で作ってくれる仕組みで、日記やタスク管理にとても便利です。
たとえば毎朝Obsidianを開いて、以下のように書き出してみましょう。
# 2025-08-18
## 今日の予定
- 10:00 ミーティング
- 資料作成
## 今日の気づき
- 昨日の記事のアクセス数が伸びている
これを続けるだけで「その日何をして、どんなことを感じたか」が蓄積されていきます。
数週間後に振り返ると、自分の行動パターンや成長の記録が見えてくるのも面白い点です。


アイデアメモを知識に育てる
ふと浮かんだアイデアをそのまま書き残すだけだと、埋もれて終わってしまいがちです。
そこで役立つのが「リンクで育てる」発想。
- アイデアメモを作る
- 関連するテーマ(例:ブログ・仕事・読書)のノートにリンクを張る
- 時間が経ったら見返して、発展できそうなら別のノートに展開
こうすることで断片的なメモが、徐々に自分の「知識のネットワーク」として成長していきます。
タスク管理にも活用できる
デイリーノートにタスクを書き出し、終わったらチェックを入れる。これだけでも十分ToDo管理になります。
- [ ] 企画書を作成する
- [x] メール返信
さらに慣れてきたら、プラグイン「Kanban」や「Tasks」を導入すれば、付箋のように進捗を管理したり、期限付きタスクを一覧化できるようになります。
このように、「毎日の記録」「アイデア育成」「タスク管理」をObsidianに集約すると、アプリを開く習慣が自然と身につきます。



単なるメモ取りに終わらず、「思考や行動を整理する中枢」として機能し始めるのです。
初心者に役立つおすすめ機能
基本操作やワークフローを試してみると、「もっと効率的に使いたい」と思う瞬間が出てきます。
そんなときに知っておくと便利な、Obsidianの標準機能を紹介します。
検索とクイックスイッチャー
ノートが増えると「どこに書いたっけ?」という悩みが出てきます。
そんなときに役立つのが検索機能です。
- 左側の虫眼鏡アイコンからキーワード検索
- 特定のタグやリンクを含むノートを一発で探せる
さらに便利なのが「クイックスイッチャー」。
Cmd + O(Mac)
、Ctrl + O(Windows)
で呼び出せて、ノート名を入力するとすぐに開けます。ファイル数が増えてもストレスなく移動できるので、初心者のうちから慣れておくと便利です。
グラフビューでつながりを“見える化”
Obsidianの代名詞ともいえるのが「グラフビュー」。
ノート同士を[[リンク]]で結んでいくと、自動的に点と線でつながったネットワーク図が表示されます。
- 自分の思考や知識のつながりが可視化される
- どの分野に情報が偏っているかが一目でわかる
- 忘れていたノートに再び出会える
知識が積み上がっていく感覚が視覚的に体験できるので、モチベーション維持にも効果的です。
テンプレート機能で効率化
毎回同じような内容を書くなら、テンプレート機能を活用しましょう。
例えば「デイリーノート用テンプレート」を用意しておけば
## 今日の予定
-
## 今日の気づき
-
## 振り返り
-
これをワンクリックで挿入できるようになります。
「今日は何を書こう?」と迷わなくなるので、初心者でも習慣化しやすくなります。



ここまでの機能を覚えると、Obsidianが単なるノートアプリから「思考や知識を整理するツール」へと進化していくのを実感できるはずです。
スマホとの連携でどこでも使える
Obsidianの強みは「パソコンで書いたノートをスマホからも見られる・編集できる」点です。
思いついたアイデアをすぐに残せるので、使いこなしの幅がぐっと広がります。
モバイルアプリの基本操作
ObsidianはiOS・Androidどちらにもアプリが用意されています。
インターフェイスはPC版とほぼ同じなので、操作で迷うことはありません。
- 新規ノート作成
- 既存ノートの編集
- 検索やタグでのノート呼び出し
これらの基本操作はすべてスマホから可能です。
外出先でメモしたアイデアを、帰宅後にPCで育てていけるのは大きなメリットです。
同期の方法を選ぶ
スマホとPCを連携させるには「同期設定」が必要です。方法は大きく2つあります。
- クラウドサービスを使う方法(無料)
- iCloud(Appleユーザー向け)
- Dropbox / Google Drive など
- 公式のObsidian Syncを使う方法(有料)
- 高度な暗号化でセキュリティが安心
- 履歴復元機能で「間違えて消した」を防げる
- PC・スマホ間で遅延なくリアルタイム同期


どちらを選ぶべきか?
- 「まずは無料で試したい」 → iCloudやDropboxで十分
- 「仕事や学習の中枢として本格活用したい」 → Obsidian Syncで安心感と快適さを得る
最初は無料のクラウドで始めて、必要に応じてSyncへ移行する流れが自然です。
スマホと連携すると、「ノートをPCの前に座ったときしか使わない」状態から解放されます。
移動中や外出先でのひらめきをメモ → 帰宅後にPCで整理、という流れができると、Obsidianは生活の中に完全に溶け込むでしょう。
Obsidianを続けるためのコツ
どんなに便利なツールでも、使い続けなければ効果は実感できません。
Obsidianも同じで、日々の生活に自然に組み込むことが長続きの秘訣です。
ここでは初心者が挫折せず、楽しく続けられるための工夫を紹介します。
毎日の短時間記録を習慣化する
「がっつりノートを取らなきゃ」と気負うと続きません。
- 朝5分、今日やることを書く
- 夜5分、その日の振り返りを書く
これだけでも十分です。小さな積み重ねが後から大きな資産になります。
自分だけのルールを作る
Obsidianは自由度が高いので「どう整理すればいいの?」と迷いやすいですが、完璧を目指す必要はありません。
- タスクは必ず「デイリーノート」に書く
- 読書メモは「#book」タグをつける
- アイデアは「Ideaフォルダ」に入れる
こんな簡単なマイルールを作るだけで、迷いが減って継続しやすくなります。
見返す楽しみを持つ
ノートをただ残すだけでなく、週末に「1週間のメモ」を振り返ると、自分の成長や考えの変化を感じられます。
グラフビューを眺めて「知識の地図」が広がっていくのを実感できるのも、続けるモチベーションになります。
筆者の体験談
僕自身、1日のはじめにObsidianでデイリーノートを開いてブレインダンプをして頭のなかを一旦すべて書き出すことをしています。
そうすると、朝一で頭の中がスッキリする感覚がありこの感覚が気持ちよくてObsidianを毎日使うきっかけになりました。
つまり、短時間でいいから毎日使う → マイルールを決める → 見返して楽しむ。
この流れを作れば、Obsidianは単なるノートアプリではなく、自分の生活や仕事を支える「知識の基盤」になっていきます。
まとめ:Obsidianを生活に取り入れてみよう
ここまで、Obsidianを初心者が実際に使いこなすための流れを紹介してきました。
- ノートをMarkdownで書く
- 内部リンクとタグでつなげる
- デイリーノートで習慣化する
- グラフビューやテンプレートで便利に使う
- スマホ連携でいつでもアクセスできる
この一連の流れを押さえれば、Obsidianは単なるメモアプリではなく「思考と知識を整理する強力なツール」に変わります。
最初は「ちょっとしたメモ」からで構いません。
毎日の積み重ねが、やがて自分だけの知識ベースとなり、仕事や学習の生産性を大きく高めてくれるはずです。
次の一歩:Obsidianをもっと深く学びたい人へ
この記事で紹介した使い方を試していくと、Obsidianの便利さを実感できると思います。
ただ「もっと体系的にまとめて知りたい」「基礎からしっかり身につけたい」と感じる人も多いはずです。
そんな方におすすめなのが、こちらの一冊です。


この本の特徴は「基礎から実践まで段階的に網羅」していること。
- 第1章~第2章では、ノートアプリの基本からObsidianの初期設定・基本操作までを丁寧に解説
- 第3章~第4章では、デイリーノート・趣味の記録・タスク管理といった“日常に役立つ使い方”を紹介
- 第5章~第6章では、アイデア発想やデータベース的な活用など“応用の入り口”までをカバー
さらに巻末にはMarkdownリファレンスが付いているので、「書き方を忘れた」ときにサッと確認できるのも安心です。
つまりこの本は、始め方から一歩進んで「Obsidianを生活や仕事にどう組み込むか」までをまとめて学べるガイドブック。
「記事を読んでObsidianに興味を持ったけれど、断片的な知識だけでは不安…」という人にぴったりの一冊です。